社交不安障害と気づいた日|流れに身を任せて生きる方法

社交不安障害と気づいた日|流れに身を任せて生きる方法 メンタルヘルス

診断名がついた日、心がふっと軽くなった

朝、目が覚めた瞬間になぜか胸が締めつけられるような感覚を覚えたことはありませんか。周りの人たちが当たり前のように前へ進んでいく中で、自分だけが取り残されているような息苦しさを感じる瞬間があります。

就職活動に失敗し、部屋の電気さえつけられなくなった時期がありました。カーテンを開けることも、布団から出ることもできず、ただ天井を見つめる日々が続きました。そんな中で出会ったのが、社交不安障害という診断名でした。診断がついた瞬間、これまで抱えていた苦しさの正体が、ようやく輪郭を持ち始めました。

取り残されていく感覚の正体

22歳の年、就職活動へ2度失敗したことが、すべての始まりでした。面接で言葉に詰まり、履歴書を送っても返事が来ない日々が続くうちに、人と会うこと自体が恐ろしくなっていきました。部屋の電気をつけることも、カーテンを開けることもできなくなり、布団の中でただ時間が過ぎるのを待つ生活が始まりました。

毎朝、目を覚ますたびに、同い年の友人たちが社会に出て働いている姿を思い浮かべては、胸が締めつけられました。普通に就職して、給料をもらって、いずれ良い人と出会って結婚する。そんな当たり前だと思っていた未来が、自分にはもう手の届かないもののように感じられました。周囲と比べることをやめたいと思っても、比べてしまう自分を責めることしかできず、悪循環から抜け出せずにいました。

克服しようとして分かった、体からのサイン

苦しさと向き合う中で、対人関係を克服しようと試みた時期もありました。学生時代に飲食店の接客業に挑戦したことがあります。苦手なことを避け続けるより、思い切って飛び込んだ方が変われるのではないかという期待がありました。ですが、注文を受ける段階から頭が真っ白になり、会計のたびにミスを重ねてしまいました。

バイトの前になると、決まって吐き気や腹痛に襲われるようになりました。最初は体調不良だと思い込んでいましたが、症状が出るタイミングがいつもシフトの直前だと気づいた時、これは体調だけの問題ではないと感じ始めました。体は正直に、心の限界を伝えてくれていたのだと、今になって振り返ると思います。結局、そのアルバイトは辞めることになりました。

診断名がついた瞬間、荷物がふっと軽くなった

限界を感じ始めていたころ、初めてカウンセラーのもとを訪ねました。話をじっくり聞いてもらえることには救われましたが、根本的な解決にはなかなかたどり着けませんでした。3人のカウンセラーに相談しましたが、状況は大きく変わらず、心療内科の扉を叩きました。最初の診断は自閉症スペクトラムというものでしたが、納得できずに別の病院でも検査を受けたところ、認知の歪みからくる生きづらさだという説明を受けました。

その後、対人を必要とする仕事を紹介された際に強い拒絶反応が出て、面接の予約を申し出た夜から、1ヵ月にわたって生活もままならないほどの頭痛に襲われました。心療内科を受診した結果、社交不安障害という診断がつきました。先生の話では、その不安は就職活動を始めた時点からすでに始まっていたということでした。診断名がついた瞬間、心の中にあった重たい荷物が、ふっと軽くなる感覚がありました。

逆らうことをやめた先に見えた景色

苦しい時期は、この状態が永遠に続くのではないかと絶望しながら毎日を過ごしていました。けれども、良いことも悪いことも、いつまでも同じ強さでは続かないものです。生まれたその日から、人生は川の流れに似たものとして続いているように感じます。苦手な部分を無理に克服しようとして流れに逆らい続けるより、身を任せてたどり着く先を楽しみにする方が、自分には合っていました。

不安障害という診断は、弱さの証明ではなく、これまで無理を重ねてきた証拠だと、今は思っています。診断を受けたことで、自分を責める理由がひとつ減り、代わりに自分を理解する手がかりがひとつ増えました。

焦らず整えていく、これからの歩き方

診断を受けてからは、生きづらさを完全になくすことよりも、それとどう付き合っていくかを考えるようになりました。なりたい自分の姿を紙に書き出し、小さな行動に落とし込む作業を続けています。大きな目標を一気に達成しようとするより、今日できる範囲のことだけに集中する方が、心が安定しやすくなりました。

生活のリズムを整えることも、心の状態にそのまま影響します。起きる時間や眠る時間を一定に保つだけでも、頭の中の不安が少しずつ落ち着いていくのを感じました。無理に予定を詰め込まず、余白を残しておくことも、自分にとっては大切な工夫のひとつです。

おわりに

就職活動の失敗も、引きこもった日々も、頭痛に苦しんだ1ヵ月も、今の自分にとっては欠かせない時間だったと感じています。苦手なことを無理に克服しようとせず、流れに身を任せながら、たどり着く先を楽しみにする生き方で十分だと気づきました。

いずれ流れ着く大きな海原を思い描きながら、今は目の前の細い川を、少しずつ進んでいきたいと思います。川は、逆らわずとも海へたどり着くものですから。

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