親が子どもに甘やかしてしまう心理|過去の傷が子育てに与える影響とは

子育て






親が子どもを甘やかしてしまう心理|過去の経験は子育てに影響するのか



子育てと心理 — エッセイ

親が子どもを甘やかしてしまう心理
過去の経験は子育てに影響するのか

子どもがかわいいから、つい与え過ぎてしまうのでしょうか。

かわいそうだからでしょうか。

それとも責められるのが怖いのでしょうか。

あるいは、自分自身の過去の経験や、満たされなかった思いが影響している場合もあるかもしれません。

心理学では、親自身が受けた養育経験は、無意識のうちに子育てへ影響することがあると考えられています。ただし、すべての親に当てはまるわけではありません。過去の経験を振り返り、学びへと変えていくことで、新しい関わり方を選ぶこともできます。

今回は、親が子どもを甘やかしてしまう心理について、私自身の経験も交えながら考えてみたいと思います。

子どもを甘やかしてしまう親の心理

罪悪感からくる甘やかし

子どもを甘やかしてしまう理由の一つに、罪悪感があります。

欲しい物をねだる子どもに「今日はダメ」と伝えると、その場ではイライラしてしまうこともあります。しかし、泣き止んだ姿を見ると胸が痛み、「やっぱり買ってあげればよかった」と後から与えてしまうことがあります。

また、自分が子どもの頃に欲しかった物や食べられなかった物を、「子どもには同じ思いをさせたくない」という気持ちから、必要以上に与えてしまう人もいます。

子どものためと思っていても、結果として、自分自身の満たされなかった思いを埋めようとしている場合もあります。

その結果、健康を損ねるほど食べ物を与えてしまったり、必要以上に物を買い与えてしまったりすることもあります。



家族の記憶

我が家のコーラ事件

私たち兄弟は、幼稚園の頃には9割近くの歯が虫歯で真っ黒でした。

父が、自分の飲むペースでコーラを与え続けていたからです。

子どもは、おいしいと分かれば、大人以上に飲んでしまうことがあります。

普通なら隠れて飲めば怒られそうなものですが、我が家では大笑いになっていました。

私は「ハイエナの嗅覚だ」と褒められていたほどです。

母は父へ注意していましたが、本気で止めようとしている様子ではありませんでした。

医師や親戚、学校の先生からも注意され、その場では頭を下げるものの、結局は変わりませんでした。

幸いにも大きな病気には至らず、永久歯もきれいに生えそろいました。しかし、今振り返れば、子どもの健康よりも「喜ぶ姿」を優先してしまっていたのだと思います。

父親のかんしゃくと甘やかしの連鎖


家族の記憶

かんしゃく持ちで偏食だった父

父は、かんしゃく持ちで偏食でもありました。

飴を5個、6個と一度に口へ入れたり、練乳をチューブのまま飲んだりする人でした。

当然、勧められるままに私たち兄弟も同じことをしていました。

母は明るくおどけた性格でしたが、父は一線を越えると激しく怒る人でした。

そのため、和やかな雰囲気の中でも、父へ本気で注意することは難しかったのだと思います。

父は駄々をこねると激怒し、予定をすべて中止して帰宅するような白黒思考の人でした。

しかし数日後には、「そこまで買うの?」と思うほど大量のおもちゃやお菓子を持って帰ってきて、私たち以上にはしゃいでいました。

境界線を学ぶ子ども

そのような環境で育った私たち兄弟は、結果として、わがままで融通の利かない面を持つようになりました。

もちろん、人の性格は家庭だけで決まるものではありません。

しかし、幼少期に学んだ「ここまでは許される」「ここからはダメ」という境界線は、その後の対人関係へ影響することがあります。

だからこそ、親自身が自分の子ども時代を振り返り、どんな関わり方を学んできたのかを理解することは、とても大切なのです。

過去の経験を子育ての知恵に変える方法

同じ経験を繰り返す必要はない

寂しい思いをしたからといって、子どもを甘やかし過ぎれば、自立する力は育ちにくくなります。

貧しかったからといって、何でも与えれば、努力する喜びを学ぶ機会が減るかもしれません。

だからといって、自分と同じ苦労を子どもへ経験させる必要もありません。

親が家にいなくて寂しかったからといって、同じように放置する必要はありません。

お金に苦労したからといって、同じ貧困を経験させる必要もありません。

大切なのは、自分が苦しかった経験を、学びへ変えて伝えることです。子どもは、親とは違う一人の人間です。親とまったく同じ人生を歩むことはありません。

だからこそ、自分が経験から何を学び、何を大切にしているのかを言葉にして伝えることが、親としてできる大切な役割なのだと思います。

危険な行動を止めるために厳しく叱られ、その中に愛情を感じた人もいるかもしれません。

ただし、それは体罰を肯定することとは違います。

出来事の意味を整理し、「何を伝えたかったのか」を考えることが大切です。

あえて適切な苦労を経験させる

貧困を経験したからといって、一日一食にする必要はありません。

例えばキャンプやサバイバル体験を親子で楽しみながら、食べ物を得ることの大変さを学ぶ方法もあります。

大切なのは、同じ苦しみを味わわせることではなく、その経験から何を学んだのかを伝えることです。

また、子どもの年齢や発達に応じて、小さな苦労を経験する機会をつくることも、自立につながります。

例えば、目標のためにアルバイトで資金を一部準備したり、家族で計画を立てたりする経験は、お金の価値や努力を学ぶ良い機会になるでしょう。

親にとっては胸が痛む場面もあります。

それでも、すべてを先回りして解決するのではなく、子どもが挑戦できる環境を整えて見守ることも、親の大切な役割ではないでしょうか。

経験という財産を子どもに伝える価値

教科書だけでは学べない教材

「自分と同じ思いはさせたくない。」

その気持ちは、とても自然なものです。

しかし、それだけでは、自分の人生経験という大切な財産を十分に生かせません。

人生で経験した苦しみや失敗、乗り越えた過程は、教科書だけでは学べない、生きた教材です。

過去の経験は、未来をつくるヒントになります。

食生活で考えてみる

もし私が子育てをするなら、高価なお菓子や珍しいスイーツは、イベントとして家族で楽しみたいと思います。

普段は、果物やナッツ、ヨーグルトなど健康的なおやつが自然と身近にある環境を整えたいと考えています。

一方で、「太るから絶対ダメ」と禁止ばかりするつもりもありません。

育ち盛りの子どもは、活動量によって必要な栄養も変わります。

健康的な食生活を基本にしながら、特別な日は思い切り楽しむ。

そのほうが思い出にも残り、メリハリのある生活になるのではないでしょうか。

私の実家では、味付けの濃い料理が多く、家族全員が高血圧になりました。

一方で、私は自炊を始めてから味付けが標準になり、体重も12kg減りました。

家庭で当たり前だったことも、大人になって見直せることがあります。

まとめ

どんな親も、「我が子にはつらい思いをしてほしくない」と願っています。

だからこそ、自分の生い立ちの反動をそのまま子どもへ与えるのではなく、自分の経験を知恵へ変えて伝えることが大切なのではないでしょうか。

子どもに必要なのは、過保護でも放任でもありません。

安心できる環境の中で、小さな挑戦や適度な苦労を経験し、自分で乗り越える力を育てることです。

まずは、自分の子ども時代を振り返り、「何がつらかったのか」「何が支えになったのか」を整理してみることから始めてみてください。

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その経験は、きっと子どもの未来を支える知恵へと変わっていくはずです。


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